2019年12月19日木曜日

ロバと王女、むかしのファンタジー映画

ムスメがインフルエンザに感染して5日間巣ごもり生活をしていたので、映画を借りて観ました。
 ひとつは、フィンランドの作品「ヘイフラワーとキルトシュー」(めちゃくちゃかわいかったしストーリーも素敵だった)、もうひとつは、1970年のフランス映画「ロバと王女」。
 カトリーヌ・ドヌーヴがとにかく美しいのと、私の好きなむかしのファンタジー映画ということで、ときめきっぱなしの映画でした。
 
 むかしのファンタジー映画というのは、まだCGなど映像加工技術が発達していないころに色々な技法を駆使して作られた手作り感満載のファンタジー映画を指します。
 魔法や、観たこともない世界や生き物、そういうものはこれらの作品のなかで、高度なCGを観ているよりもよりもずっとずっと不思議でどきどきして、味わい深くて、大好きなのです。
 「オズの魔法使い」で東の魔女が家の下敷きになって死に、しましまの靴下を履いた魔女の足がしゅるしゅるとしぼんで家の下に消えていくところなんて、今見ても恐ろしいような気持ちになる。その続編「OZ return to oz」での、おべんとうの木のおいしそうなこと、それに廃墟になったエメラルドシティへ来た時の恐ろしさと少しわくわくが混ざったようなどきどき感、そしてホイーラーズの恐怖!
 あぁやっぱり大好きなのです。


そのホイーラーズはこれ。

 


 話が少しそれたけれど、ロバと王女のおはなしを簡単に説明すると、とある事情で実父である王と結婚させられそうになった美しい王女(ドヌーヴ)が、ロバの皮をかぶって森の中へ身を隠し、そうしているうちに素敵な王子様に出会って恋をするというものです。


森の中のみすぼらしい小屋で、王子様のためにお菓子を焼く王女。


 この上なく贅沢なきらきらのドレスを纏ってもそれに劣らぬ美しさのドヌーヴ。




そうそう、こういう魔女。
喋ると生きた蛙が口から出てくる!いかにもという感じでいい。






リラの妖精と、花嫁姿の王女。
美しさに言葉も不要です。




あまりに素敵だったので、ノートに絵を描いてみました。



いやぁ、映画って、ほんとうにいいものですねぇー。

2019年12月17日火曜日

なにもしない日、自分のシェルター

 気づいたらすごく疲れがたまってしまっていた、ということはよくあるとおもいます。
日常の疲れって、運動会みたいに短時間でどっとやってくるものとはちがって、少しずつ少しずつ身体やこころに積もっていくものだから、気づいたらすっかり許容範囲をこえていた!ということになるのです。
 とくに私のように、少しずつガス抜きをすることがの苦手な不器用な人間は。。。

 先月は相次いで身内がたおれ、看病やお見舞いや、それに伴ういろいろな手続きなどに追われて、それが落ち着いた途端に自分が体調を崩し、回復するのに二週間、ようやく回復したと思ったら娘がインフルエンザに感染して一週間登園できず、、、
 私にとって、自分の時間を持てないことが何よりのストレスなので、からだというよりも心がすっかり限界をむかえていたのでした。

 朝も起きられないし、家族のご飯もまともに作れないし、部屋は汚れていくし、いらいらはたまる一方で子供や夫に八つ当たりするし、自分でも本当に見苦しく、情けなく、どうしようもない状態。
 もうだめだーと、仕事から帰ってきた夫に子供たちを託して、逃げるように外出。ブッックオフで閉店まで立ち読みをして本を買い、その後、私のシェルターのようなカフェへ、、、

 高蔵寺にある8カフェさんは移転前からたまに通っているお店なのだけど、いつ行ってもとにかくじんわりと心にしみる(まるでお風呂のような...)お店なのです。
 その時々の心のすきまにぴったりとはまる本がちゃんとあって、ごはんは、落ち込んだ時にひとりでたべてもぜんぜんさみしくないし、それに、自分ではない誰か(それもすごくやさしい人)にお茶を淹れてもらえるなんて、あぁ本当にしあわせ。
 それにお店を出る時に「おやすみなさい」って言ってもらえる。(閉店間際までいたからというのもあるけれど、おやすみなさいっていう挨拶は、決して商業的ではない、温かみというか、思いやりみたいなものがあると思う)



 この薄暗さも癒し。本棚にはしずかにしずかにロウソクが燃えていた。





ミルクティーをのみながら、マーガレット・ワイズ・ブラウンの「ちいさなもみのき」を。
M.W.ブラウンは「おやすみなさい おつきさま」ですっかり大好きになったけど、この本もやっぱりよかった。
 バーバラ・クーニーの絵もぴったりはまっている。この表紙の曇った青に、やさしいもみの木のみどり、子供たちの赤い帽子、、、雪深い森なのに、なんともあたたかい空気。





 これはブックオフで買ってきた、パトリス・ジュリアンの「生活はアート」。本当にそのとおり!でもこの二、三年、すっかり忘れていたような気がするのです。

 あたたかいカフェで癒されて、さらに昨日(月曜)はようやく娘も登園できたので、この際息子も託児に預けて、何にもしないでリビングにごろんと寝そべって毛布をかぶって、昼寝したり読書したり、とにかくだらだらしたら、驚くほど回復しました。
 いらいらもどこかへ飛んでいき、今朝もすっきり早起き。相変わらず極端な私、、、
 でも「なにもしない」って本当に大切だと思い知ったのでした。時間ができるとつい、どこかへ出かけたり、やりたかったことをやろうとしてしまうから。普段からストレスをためないようにきちんと「なにもしない日」を作らなくちゃいかんと思ったのでした。。。